校長室より

【更新日】2023年06月09日

「学校は何のためにあるのか」(年度当初の職員会での教師用資料の一部抜粋)

 

「学校とは、何ですか?」「何のために学校はあるのか?」と聞かれたら、私は迷いなく、『学校は、全ての人が幸せになるために教育を行う場所』であり『全ての人々の幸福につながる活動を行うために学校はある』と答えたいと思います。

全ての人とは?「生徒」は勿論、その「保護者」、「地域の方」、そして「教育に関わる全ての人(先生方も含む)」だと私は考えます。

教育を受ける人を始め、教育に関る全ての人が、「ああ、幸せだなあ」「よかったなあ」「うれしい」と感じることが、今よりも、少しでも増えていくことが大切だと思います。

今、盛んに、Well Being という言葉が使われています。その意味は、継続的な、「こころ」「からだ」「社会的な状況」が満たされた状態、と言われます。

学校教育によって、今よりも、少しでも全ての人々のQOL=「生活の質」が良くなることが実感できるように、そこにつながるために学校はあるのだと私は考えています。

「うれしい」とか、「楽しい」とかの、その一瞬、瞬間の幸福も大切ですが、教育は、これから、将来(未来)にわたって、全ての人々が幸福に過ごせる安定した世界(社会)の構築を最終的に目指していると思います。

そして大切なのは、教育に関わる人も含めて、つまり、先生方自身も、自己犠牲の上に他者の幸福を作り上げるのではなく、生徒と一緒に、成長や幸福感を、素直に喜び「幸せだ」と思える、学校づくりをめざしていきたいと、私は考えています。

私たちが毎日、授業を行い、学校行事を行い、生徒会活動を行い、部活動で共に汗を流し、時には厳しく指導し、笑い、感動し涙するのは、全て、生徒の成長をとおして、全ての人々の幸せにつながっていくため・・・ という感覚が大切だと思います。

いろいろな事情や困難や悩みを抱えている生徒もいます、先生方も同じだと思います。いろいろなご事情を抱えて頑張っておられると推察します。

いろいろな事情や背景を抱えている、生徒・保護者・私達、全ての人々の、幸せの実現に向けて、QOLの向上を願って、先生方のできる範囲で、指導と支援をしてほしいと願っています。

そのために、校長として、できることは何かを考え、皆さんと一緒に取り組んでいきたいと考えています。

 

令和5年4月3日 長崎市立橘中学校 校長 井上博之